10月15日に公開された映画『DUNE/砂の惑星』を鑑賞したいがために大阪EXPOCITYのIMAXシアターまで行ってきた。わざわざ大阪に行く理由はIMAXレーザーで観たいから。

一般的な映画館のアスペクト比は2.35:1で、シネマスコープサイズ(通称シネスコ)と呼ばれる。画面横長のアレね。(一般的なテレビは16:9だし、一般的な写真は4:3。)でIMAXのフィルムは1.43:1でほとんど正方形のカタチをしている。IMAXで撮影されたデータをそのまま普通の映画館で使うと上と下が切れた映像になってしまう。言われなければ気にならないし、絶対ダメということもないのだけど、せっかく世界最高峰のIMAXカメラなんだから、極上の環境で1.43:1を体感したいよね、と。音質も別格だ。

IMAX®レーザー/GTテクノロジーとは、シネコンとしては日本最大級、ビル6階建てに匹敵する高さ18メートル超、横幅26メートル超の誰もが圧倒される巨大スクリーンに、日本初の高解像度の4Kツインレーザープロジェクターで、通常の映画館では再現できなかった明るさ・コントラスト・カラーを鮮明に映し出し、本当に映画の中にいるかのような体験を味わえます。(109シネマズサイトより

DUNEはまさにIMAXシアターで鑑賞するために作られた映画である。全国に少しづつIMAXシアターが増えているものの、ここで言うIMAX規格を実現できているのは「IMAXレーザー/GTテクノロジー方式のシアター」のみで、これが池袋のグランドシネマサンシャインと109シネマズ大阪エキスポシティにしかない。

IMAXによる圧巻の映像美はまさに「新しい映画体験」と呼ぶにふさわしいし、どんなにストリーミング時代が進もうともこの体験は特別だ。『DUNE』についての内容どうこうの前にこの映像美を体験するだけで行く価値があると思う。ここに人生をかけて映画制作に取り組む人たちにまじで敬意を表したい。。これを体験するために米子経由ルートで車で約5時間のドライブくらい、まあ楽勝だ。

『DUNE』はクラクラするほどのSF超大作。ドゥニ・ビルヌーブ監督は今作で一気に有名になりそう。『ブレラン2049』も『メッセージ』もたくさんのSFファンを喜ばせたし、このへんの世界観が好きな人はきっと『DUNE』も好きになると思う。音楽はハンス・ジマーだし、結構クリストファーノーランを意識してそうな感じがある気がした。

PART2やPART3構想がすでに進行しているらしい。もちろん途方もない制作予算が必要で、それはすなわちPART1の興行成績次第。新旧のDUNEファンや主人公ティモシーファン、SFファンや好意的な批評家たちは「IMAXに行き、支援しよう」ぐらいのことを言っているけど、共感する。

もうひとつ、ダニエルボンド最終作もIMAXで観た。007は97年の『トゥモロー・ネバー・ダイ』からずっと劇場で観てる。観光映画と言われるくらい世界各地のロケーションの画力が凄まじいけどダニエル版はあまりに美しさに惚れ惚れする。いやー、今回もいい時間を過ごした。

そしてIMAXシアター目の前にある「太陽の塔」へ。2018年に関根光才という監督による映画『太陽の塔』のトレーラー映像がめちゃくちゃかっこよくてずっと記憶に残っている。ドキュメンタリー映画であらゆる業界の人たちのインタビューで構成されていて、すぐにDVDを買った。1970年の大阪万博から約50年。2018年には半世紀に渡って閉じられていた太陽の塔が1年以上の工事を経て一般公開されるようになった。ということはきっと一般公開に合わせて作られた映画なのかも知れない。この日も小学生や旅行客が結構いたし、万博公園は広すぎてまわりきれない。家族を連れてまた来たい。