温泉津のWATOWAに1ヶ月以上来てくれた水月さん。旅する料理人企画が昨夜の「感謝祭」をもって無事に終了した。

昨晩はいい夜だった。たまに家族を連れて撮影やランチを兼ねてちょこちょこ通ったけど、昨日の最終日を見る限り、この1ヶ月とても有意義に過ごせたんだろうというのが表情にあらわれていて、とても安心した。本人も「スローライフとは無縁」というくらい、ハードで大変なことはもちろんあっただろうけど、温泉津の人たちととても仲良く繋がったのがよくわかる。何気ないやりとりや、食材を提供(提供してるとも思ってなさそうなんだけど笑)してくださる近所の方が本当に多いし、「ランチしにきたよー」というお客さんがふらっと立ち寄るシーンを何度も目にした。そして温泉津の町でWATOWAを含めて4軒まわしているオーナーの雅子さんの存在がとても大きいこともよくわかった。

3月頃に東京の友人リナにこの企画を相談したところ、すぐに水月さんに声をかけてくれて(紹介してくれて)実現した。リナのおかげだ。御礼を言いたい。(ありがとう。)今後もWATOWAは旅する料理人的な方を迎えて運営していくことになるわけだけど、いい方がいたらぜひWATOWAに声をかけていただきたい。

 

コロナ社会の変容、よいこともそうでないこともこれからどんどん目に見えてくるのではないかと思っている。悲観する時間はもったいないから、まるでゲームをするように自分の仕事やライフスタイルそのものをどんどん時代の変化に合わせてデザインしていく。これはこれで面白いことだと僕はかなり楽観的に考えている。

オリンピックの開催を巡って連日報道される内容を見る限り、今国民はIOCやオリンピックに対して強烈にネガティブなイメージを持ってしまったし、先頭に立つべきこの国のリーダーたちへの信用度は決して高いとは言えない。今の日本の正体を垣間見ている気にもなってくる。(ようやく見えたとも言える。)こんな大きな二つの事象の中に僕らは生きている。なんだかとてつもない時代の中にいる。今改めて10年後の自分と家族の未来を考えるいいタイミングだ。

水月さんの今回の働き方はコロナ社会を生き抜く術になるだろう、というのが僕の持ったイメージだった。料理ができるというのは立派なスキルだ。包丁一本でどこへでも行ける。その土地にある食材とちょっとちた場所さえあれば、生きていける。聞けば「料理の仕事が減ってしまった同業界の知り合い」は都市部にいるようで、かといって新しい動きを見出せずにいる人もいるそうだ。新しい視界が開けていくのがどんな世界でも動いた人だけだ。彼女のような働き方はこの時代のサバイバルだ。今後そういう方が温泉津の町にやってきてくれることを心から願っている。

水月さんのインタビューを映像に撮ったので今月中に公開するつもりでいます。また夏に戻ってきてくれると嬉しいな。