In Diary

自身初の試みとしてタブロイド版を自主企画・制作し、ついに発刊。(気分的には発汗!)我ながら納品されたダンボールを開ける時にちょっとドキドキした。(印刷会社の方には大変お世話になり、痒いところに気づいてくれ、とても信頼できる担当の方だった。今後もやることがあればぜひお願いしようと思っている。)

タイトルは『TRAVELLING』。結構あっさり決めた。(余談だけど、アメリカ英語は「TRAVELING』と表記し、イギリス英語は「TRAVELLING」とLを2つ綴るらしい。)表紙はブリュッセルのデモで撮った少女たちの写真だ。最近、人が撮るのが好きになりつつある。少しは進歩したのだろうか。

さて、このTRAVELLINGは蔵庭(島根県江津市)にお越しくださったみなさまに配布させていただこうと思っている。蔵庭のインスタにポストしたら送って欲しいとすぐに連絡が来たが、無料配布な上、郵送までは中々できないのが正直なところ、ここは申し訳ない。東京の方にはVege&Fork Marketとかでお届けしたいと考えている。

全16ページの大判で今回撮った写真の中でも特に好きな写真を大きく載せ、旅で感じたこと、見たことを考察し、文章を書いた。スペイン・バルセロナの観光業や市場、カタルーニャの独立問題、南仏の散策や友人家族との再会、ベルギーのビールとワッフルとチョコレートの旅、そしてフィンランドの教育やサウナカルチャーなど、ほんとに好きなように綴った。広告営業&収入なんてなし。

タブロイド版はもともと「やってみたかった」ことだった。今後、映像や写真と文章で自分の作品と呼べるものをリリースしていきたいと企んでいる。自分で作ってアマゾンで売るのも自由な時代だ。なんて楽しい時代なんだろう。

今週木曜日からカフェに設置。無料。興味ある方はぜひ手にとってみてください。

本誌に書いた「Introduction」を掲載します。

 

これまで東京以外で暮らしたことがなかった僕が島根に移住することを決めたのは2013年のことだった。フリーランス活動を本格化したタイミングで、夫婦でこの先の生き方を模索していたときだ。

「世界はこんなに広いのになぜ僕は東京にしかいないんだろう?」という思いがアタマの中で常にグルグルしていた。今までの生活スタイルを大きくシフトし、仕事も住む場所も何もかも再起動させ、新しい環境に身を置きたかった。今思えば人生のターニングポイントがやってきたのだろう。「新しい自分」になりたかったのだ。

2015年の夏に『蔵庭』というカフェをオープンし、自分たちの拠点を作った。ここは過疎化著しい中山間地域だが、周りを気にすることもなく、誰かに管理されることもない自由を手に入れたことが何よりだ。毎日がエキサイティングで、移住5年目を迎えた今も変わらずそう思えていることに我ながら驚く。身を置く環境次第で人は大きく変わる。

「山陰の冬は厳しく、太陽にあたらないと体調がすぐれない」「未来の自分たちへの投資だ」というもっともらしい理由をつけて、カフェは冬季休業にし、家族で「あたたかい国に行く」ことをここ数年続けている。タイ、インド、マレーシアを廻り、豪州はバイロンベイに滞在しながら自分たちだけの時間を過ごすことを大切にしている。「この時間のために頑張ってはたらく」と妻は毎年言うけれど、僕も全く一緒だ。

知らない国や人や文化に触れることが心身を活性化させ、自らの糧になることは言うまでもない。せっかくなので体験したことや得た経験を少しでも蔵庭に還元したいと思い、メニューにも反映している。

今シーズンはスペイン、南フランス、ベルギー、フィンランドと欧州の4ヶ国を廻ってきた。食や観光スポット巡りはもちろんだが、それ以外に何を見て、何を感じることができるのかも旅の醍醐味だ。

本誌は僕がそこで見て感じたことをまとめ、少しでも多くの人に伝えてみたいという思いからタブロイド版を自主制作しようと決めた自身初の試みである。全ての写真を自分で撮り、文章を書き、レイアウトデザインまで一人で行なった。サイズや紙質にもこだわり、印刷会社にも足を運んだ。写真は多く載せるのではなく、大きく載せることを意図した。それは僕が「こんなタブロイド版があったら手に取りたい」と思えるようなものにしたかったからだ。

カメラやコンピューターの性能が高くなったおかげでたった一人でセルフパブリッシングができる素晴らしい時代に僕らは今生きている。ありとあらゆることが好きに、自由に、安く、できるようになったこの時代、「やりたくてもできない理由」はもはやなくなった。

改めて言うが、世界は広い。見たことのない景色や新しい出会いは自分から求めていかなければ手に入れることはできない。インターネットでわかった気になるのはちょっと違う。現実世界で足を運んで遠くまで行ってみる。

僕らは本来、楽しく過ごすためにこの世に生きていることを忘れてはならない。多くの制限があるように思うのはきっとただの思い込みなのだから。

戸田耕一郎

 

 

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