In Diary

ベジフォークの開催のための東京滞在を終えて島根に戻ってきた。明日は「出展者になって」出雲で開催されるマルシェイベント「CIBO(チーボ)」に蔵庭として参加する。CIBOオーガナイザーのふさこさんが東京にいたこともあって先日のベジフォークに遊びに来てくれた。

16回目のベジ&フォークマーケット。天候にも恵まれ今回も無事に終えることができた。雨天覚悟で諦めていた土曜日だったがツキがあった。ご来場のみなさま、出展者のみなさま、関係者のみなさまには心から御礼申し上げたい。どうもありがとうございました。

少しだけ振り返っておきたい。今回はいつになく多くの気づきを得ることになった。大きく言って①集客と店舗売り上げ②イベントの成長について③主催者としてどうあるべきか、の3つ。

①集客と店舗売り上げ
ここに向き合わずしてイベントオーガナイザーはつとまらない。90%以上の店舗は商品やサービスを生業にしているからだ。出展した成果が直ちに数値化される。売れたら楽しい。売れなくても楽しかった!と言ってもいいけど、それはアマチュアだと思う。プロである限り売れること=一定以上の数字をつくることは大切なことである。

どこに目的(目標)を持って出展するのか、ということについても出展者さんもおそらく考えているはずだ。中にはベジフォークの春秋に備えて勝負してくる店舗もある。いずれにしても開催する限り僕は僕なりに責任を感じる。なので「楽しい」「ここにいると幸せ」という感情論は一旦おいておく。

実を言うとここ数年、土曜日の来場者数が明らかに減ってきている。言い訳はできる。子どもの運動会、土曜日出勤や共働き事情、他イベントがある等。そうなのかもしれない。それでも開催したならば何がなんでもカタチにしなければいけないのだ。土曜日については全体の売り上げが過去に比べて大きく減ったというわけではないけれど、盛り上がったという感じはイマイチなかったと言わざるを得ない。売れ残った商品がある店舗も少なくなかった。

家族連れが多いエリアでもあるので毎回日曜日に盛り返す特徴がベジフォークにはある。今回も明らかに来場者数は増えて「いつものような感じ」になった。過去最高の売り上げを出した店舗もいるし、ここ数回の出展でファンを増やし、店づくりが良くなり、結果売り上げを伸ばしている店舗もいる。こういうお店のスタッフはハツラツとしている。はじめての出展ながら「いい感じ」に売りまくっている店舗もいる。他イベントも含めた出展経験の中で一番売れたという店舗もいた。嬉しそうに僕を見つけて帰り際に報告してくれたが、それはハッピーなことだし、言うことはない。「おめでとう、ありがとう、おつかれさま!」と笑顔で応えた。主催者冥利だ。このような新陳代謝も起きていたりする。(新しい風を吹いてくれることに感謝だ。)

一方で過去6年-7年出続けている店舗でおなじみのお店の売り上げがイマイチなところもあった。「来場者の質が変わった?」「動員が伸びていない?」という意見をもらった。質で言うと「『商品が高い』と言われた。今までそんなことを言う人はいなかったのに。」とのことだった。「見た感じでわかるほどお客さんが減ったよね、。」とも言われた。僕も感じたことだけれど。

スルーできる意見やアイデア(失礼!)はあるし、そこへのジャッジは僕の中で明確だが、ベジフォークへの貢献度が高い昔からの出展者の意見を無視することはできない。こういう店舗の期待に答えたり、期待を超える機会創出が僕のモチベーションであり、「それがやりたい」のだ。そこに僕がやり甲斐を感じていることを正直にお伝えしておきたい。そこでやっと僕は満たされる。だからそうでないときは打ちのめされる気分だ。長い間付き合いがある店舗のそうした意見はなかなか堪える。ずっしりくる。

さらにはイベントが終わった数日後に電話で数時間も話し、「戸田さん、ディフェンシヴ(守り)になってないすか?オフェンシヴ(攻め)でいてくださいよ!」とまで言われてしまった。僕がどういう意識であれ、そう映ったことは事実で、それが他人の評価だ。残念だけれど受け止めなければいけない。「戸田さんがこれをやる限り、うちらはついていくから。」とまで言うのだから返す言葉が全く見つからなかった。まずは受け止めて、今僕は前を向いている。

新百合ケ丘周辺は新しいマンションがバンバン立つほどのニュータウンで30代-40代の生活感度がそれなりに高い層が多く住むエリアだ。教育や食に対しての意識も決して低くはない。そして所得も。明らかにはじめて来たのかなと見えるベビーカーをおす女性来場者を多くみかけたが、これまで来てくれていた来場者がいなくなったようにも同時に感じる。(どこへ行ってしまったのだろう?)時間とともに来場者層も入れ替わっているのだろうか。こういう方々の感想には多くのヒントがあるはずで、次回は通りすがりで聞いてみようと思う。

②イベントの成長について

たかだか8年運営した程度で「成熟期」とは言えないので、続けること前提で「成長期」と考えたい。

ベジフォークは初期の頃からそれなりにうまくいったと感じている。店舗は常に集まり、毎回毎回たくさんの方が来場してくれる。会場も可能な限り拡大され、駐車スペースも大きくお借りすることができ、現在に至っている。さらに会場を拡張し、店舗を増やして…とは考えにくい(そういう気は全くない)ので中身を更新するというか、質をあげていかなければいけないのだなあということを先の出展者と話していてつくづく感じる。いくつかの具体的アイデアも聞かせてもらった。なるほどなと思うこともあった。

ハッピーな店舗もあれば、不完全燃焼の店舗もあった。全体のアンケートなどはとっていないのでわからないけれど、もし不完全燃焼店舗が3割くらいいたら結構ヤバいと思っている。なにか策を講じなければ維持はできない。維持はできないので、下降する。(余談だが従業員を雇っているCEOって常時こういう問題に直面しているのだろう。常に成長させなければいけない。上場すればさらに他人の目は厳しくなるのだからメンタルがなければとてもできない仕事だろう。)

成長させることや具体的アイデアについて、僕の独断でできることはそうすればいいと思っているし、運営チームみんなで考えていきたいところもある。「土曜日の壁」は超えていかなければいけない。

というか壁と思わずに実験・挑戦くらいで楽しんでやる気持ちを持とう、と逆に開き直ったりもしている。そうだ、本来は僕の自由のためにやりはじめたことだし、「株主」「上司」なんて存在しない。やりたいようにやればいいのだ。それを出展者であり、友人でもある彼は「戸田さん、オフェンシヴに!」と言ったのだろう。ありがたい気づきをもらったよ。フリーランスになって以降、僕にそんなことを言ってくれる人はほとんどいないことに改めて気づく。ときに他人の意見は正しい。

出展者の方にもテーマや要求を出すかもしれないし、細かいことでこれまで当たり前にやっていたことを変更するかもしれない。過渡期であり、変革期なのだ。最近ベジフォークを知ってくれた方やはじめて出展してくださった方にとっては「??」かもしれないけれど、そういう時期に来ていることは間違いない。秋のVol.17はそれを忘れずに思い切ってまたやってみようと思う。

③主催者としてどうあるべきか

結局はこの話になってくる。僕がどうしたいか、どこに行きたいか、どこに達成感と満足感があるのか。

2010年はベジフォークをはじめた時期であると同時に、自分のこれからの生き方と働き方と考え方の方向付けをしたい時期だった。僕は一体、30代と40代をどう過ごしたいのか。時間は戻せない。自分と向き合わざるを得ない30代中盤に差し掛かる頃だった。

なんとなくのサラリーマンとブラック企業に別れを告げるべく、そのトリガーを求めるための夫婦活動。起点としてはじめようと思ったベジフォーク。誰のためでもなく自分のためにやっている感覚があった。人がどう思うかはどうでもよく、自分がいいと思っているから突き進む感覚。これに勝るエンジンはないと今も思っている。今もあるけどちょっとスペックが変わった。そこそこ認知され満足してくれる方々が増えてきたからだ。となると「自分のことはいいや。他人を喜ばせたい。」という気持ちも少し芽生えてきた。そういう時期に差し掛かっている。

「やってくれてありがとう!」「戸田さんのおかげ」「こんなにイベントを続けるなんてすごいね。」と言ってもらえることで自信につながって、島根に移住してベジフォークと全く同じコンセプトのカフェを妻とやり、僕はカメラやウェブを生業にするフリーランスとなった。すべてベジフォークがきっかけとなっている。起業の原点のように思っている。

何年もやり続けると慣れてくる。うれしく、ありがたいコメントにも慣れてくる。慣れたくないと思っても慣れてくる。やっぱり過渡期であり、変革期なのだ。ここらで一度羅針盤が必要だ。僕自身がフレッシュであるために、もう一度ベジフォークを「成長させる」ために何がしたいか考える機会となったVol.16だった。

「ベジフォークの春秋に勝負してくる店舗」「他イベントも含めた出展史上最高の売り上げを作った店舗」「不完全燃焼だけど次回に期待し、僕にも期待してくれる店舗」がいる限り僕はがんばろうと思う。これまで持っていた自分のためにがんばるという感情はちょっと忘れて。ようやく他人のためにがんばるという気持ち、馴れ合わない出展者(仲間)がいるっていいなと思えてきた。これは時間がかかって出てきた新しい感情だ。夏からはじまる秋の準備。フライヤーもウェブサイトもまたがんばって新しく作ろう。

ベジ&フォークマーケットはベジやマクロビオティック、オーガニックの啓蒙活動を第一に考える場でないことは割と言い続けている。ライフスタイル(価値観)を伝えよう伝えようという気も全くない。いまだに変わらない。こういうライフスタイルは僕にとっても出展者にとっても人生の引き出しであり、手段のひとつなのかもしれない。目標値を追いながら商売をしている自分と向き合い、それを通じて自分がよりよくなっていける場でありたいと思う。

また秋に会いましょう!

戸田 耕一郎

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